ハロウィンの悪魔




気付けば9月も半ば、相変わらず“シホ”の元へは定期的に会いたいと連絡が来るが断っている。


因みにここ最近に入り、社内で稀にエンカウントした時や帰りが重なった時には界斗から話をふられ、少しだが雑談を交わすようになった。

気を許している同僚、あるいは秘密を打ち明けた友人のような感覚でいるのだろうとは思うが、こちらは周囲の視線もあって正直気が気でない。


ただでさえ界斗は言い寄ってくる女性社員を無碍にはしないもののあまり言葉を交わそうとせず、サッサと切り上げてしまうと有名だから。

当然、自分達だって業務時間内なのだから仕事の事を話しているだけの時もある。



けれど社内屈指のイケメンエリートと根暗な地味陰キャ女が並んで話しているだけでその空間は異質に見え、ハッキリ言ってしまえばとても目立つのだ。そこに会話の内容など関係ない。


側から見れば栞が界斗を一方的に慕っていて、何かと理由をつけては寄って行き、それに仕方なく界斗が相手をしているという構図が出来上がるのは自然な事だろう。


彼に好意を抱いているという点ではその見解も当たらずとも遠からずなので一概に否定は出来ないが、時折自分へ向けられる敵意剥き出しの視線はさすがに疲れる。

ただでさえ営業部の男の時のように、自分は軽く見られがちなのであまり大事にされてしまうとこちらにとばっちりがくるのは必至なのだ。