「御堂くんは見た目で人を判断するような男じゃないよ」
「そうかもしれないけど、付き合うとなれば話は別でしょ。私は…ほら、見ての通り面白味のない女だからさ、何かの間違いで付き合えたとしてもすぐ振られちゃうだろうし」
「もーその自信のなさ、しーちゃんの悪い所だよ」
これ以上言っても無駄だと判断したのか、遥香はテーブルのミックスジュースを一口飲んで「とにかく」と念を押すように言う。
「私から言えるのは、御堂くんは間違いなく素敵な人だよ。葉くんの次にね!」
「節々で惚気挟むのやめてくれる?傷は深いよ」
「え〜」
親友が幸せなのは良いことなのだが困ったことにこの友人は大学からの長年の恋をやっと成就させたおかげで今現在、絶賛ウエディングハイなのである。
余談だがこの比山遥香という女、虫も殺せぬ様な可憐な容姿をしているが元々恋人のいた葉に惚れ込みあの手この手で何年もかけて破局まで持ち込みんだ挙句、そこに漬け込んで言質を取ったまごう事なき生粋の肉食女子である。
友人の恋人に手は出さない良識は持ち合わせているため諍いが起きた事はないが、彼女とは異性の好みが違って良かったと思えるくらいには戦いたくない相手であり、一生勝つ事などできないであろう相手だ。
話は戻すが、自分を心配してくれる遥香には悪いけれど本音はいたってシンプルな話だ。
自信がないのだ。
自分のような女があの美麗な男の隣に立つ姿がどうしても想像できない。
綺麗なものは、遠くから眺めているくらいがちょうど良いのだから。



