「一目惚れだって言ったら信じてくれるか」
またも驚いて見上げれば、真剣そのものの眼差しを自分に向けていた。
「…本気?」
「そうじゃなきゃ身元もわからない女の誘いを受ける訳ねえだろ」
自分の認識の甘さを痛感した。
完全に自分は遊ぶ男を間違えたらしい。
過ちの責任というだけならどうとでも逃げられたが、好意を持たれているとなれば話は別だ。
しかもこの様子からして栞が頭を縦に振るまで諦めはしないだろう。
半年も前にたった一晩過ごしただけの女をここまで執拗に覚えているなんて、普通じゃない。
「…駄目か」
しかも恐ろしいことに、この男は自分の顔面の使い方をよく分かっている。
そんな綺麗すぎる顔でしょんぼりされた日には罪悪感がもう半端ではない。
何度も言うが、界斗の顔立ちは栞のどタイプなのである。



