ハロウィンの悪魔





「それで、あさ……『浅井シホ』さん、だっけ?ずっと会いたかったんだ」
「…なんですか?あの日相手してやったお金でも払えって?」
「…別人みたいだな」


一瞬ドキリとしたが、おそらく去年の話をしているのだろう。

あの日の自分はもっと柔らかい話し方をしていたと思う。



「金は要らない。ただ、俺と付き合って欲しい」
「………はい?」



まさか出会い頭早々に告白を受けるとは思っておらず、言葉を理解するのに随分と時間を要した。



「もちろん恋人って意味だからな」
「…冗談、ですよね?」
「本気だ」
「責任を感じているなら必要無いですよ。私から部屋に誘ったし…初めてって訳でもないですし」


こう言えば幻滅するだろうかと思い、わざと癪に触るような物言いをした。

汚れた女だと思ってくれていい。
どうせこれきりになるのだから。