ハロウィンの悪魔




「遥香、おめでとう。すごく綺麗だよ」
「えへへ、照れるなぁ」
「ドレスの色、結局ピンクにしたんだね」
「そうなの〜ちょっと子供っぽいかなと思ったんだけどね」
「そんな事ない。本当に良く似合ってるよ」


三十路に入っても二十代前半にしか見えないほど童顔で可愛い顔立ちの遥香に、桃色のレースがふんだんにあしらわれたAラインのドレスはお世辞無しに本当に似合っていた。


感動と嬉しさのあまり綺麗だよとしか言えない栞に、不意に遥香が眉を落として顔を覗き込んでくる。


「しーちゃん、カラコン入れてる?」
「え、えと…うん」


カラコンをしてきたと知り、遥香は不服そうに頬を膨らませた。


「もー!せっかくの綺麗な目なのにどうして隠すのよ!」


栞の記憶の中で、大嫌いな目を誉めてくれた初めての人間が遥香だった。

人懐こく優しい遥香は、小学生の頃たまたま授業のグループで一緒になっただけの栞にとても優しく接してくれ、瞳も綺麗だと言ってくれた。