別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 その質問には答えられなかった。先月3歳になったばかりだと言ったら彼の子だとわかってしまう。もしかしたらすでに気づかれているかもしれないが、認めるわけにはいかない。

「すみません、私たちバスの時間がありますので。大輝行こう」

 とにかくこの場から立ち去らなければ。無理やり話を断ち切り歩き出そうとしたが、瞬に肩を掴まれる。

「待ってくれ」

「あの……っ」

 逃げるなど許さないといった強い力に佳純は一瞬怯む。

「佳純、話をさせてくれないか。もしかしたらこの子は……」

「この子は私の子、それだけです」

 お願いだから会わなかったことにしてほしい。ドクドク鳴り続ける心臓の音を必死に抑えながら彼を振り切ろうとする。

「佳純」

「放してください!」

 佳純が身体を捻じったとき、小さな体がふたりの間に分け入ってきた。

「いじわる、ダメ!」

 大輝は両手を広げて佳純を庇うように瞬を見上げていた。きっと母がいじめられていると思ったのだろう。

 瞬はハッとした表情になり、佳純の肩を解放する。

「……ありがとう大輝、ママ大丈夫だから」