別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 母が亡くなったとき、父が『ここならずっと花が咲いているからお母さんも喜ぶ』と言って購入し、今では父と祖母も眠っている。

「お父さん、お母さん、おばあちゃん、なかなか来れなくてごめんね」

 小さな墓石の前にしゃがんで駅前で買った花を手向ける、両親が好きだったスイートピー、そしてカスミソウだ。

「最後に来たのはこの子がお腹にいるときだったから、初めて顔を見せるね。大輝おいで、ひいおばあちゃんとおじいちゃんとおばあちゃんにご挨拶しよう」

「ごあいさつ?」

 首をかしげる大輝を優しく引き寄せる。

「こうやるの」

 佳純が手をあわせて目をつぶって見せる。大輝はキョトンしつつも同じように手を合わせ、ギュッと目をつぶっていた。

 墓参りが終わり、佳純は大輝を連れて園内を歩く。高くなった10月の空の下、様々な秋の花が咲いている。

(きっと今の時期、お店はハロウィンの飾り物とか秋のアレンジでいっぱいなんだろうな)

 佳純は咲き誇る花を前に以前の勤め先、フローリスト デ・パールに思いを馳せた。