別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 アパートに着いた佳純は琉生に礼を言って別れる。

 大輝と住んでいるのは四階建ての賃貸アパートの二階、間取りは1DKだ。
 築二十年と決して新しくはないし設備も古いが、前にひとりで住んでいた東京のアパートより広く日当たりもいい。しかもそこよりも安い賃料で借りれたので大変助かっている。

「おなかすいた!」

 玄関で靴を脱いだ途端、ダイニングに突進しかける大輝に声をかける。

「大輝くん、おうちに帰ったらまず何をするお約束ですか?」

「……おててごしごしと、ぐじゅぐじゅぺー」

 大輝はピタッと足を止めると、回れ右してパタパタと洗面所に向かう。

「えらいねぇ」

「ぼくえらい、うんしょ」

 小さな手足を精いっぱい伸ばし、幼児用の踏み台に上る息子を佳純は微笑ましく見守るのだった。


 それから十日ほどたった土曜、休日の佳純は大輝を連れて外出していた。

 自宅から電車に乗り数十分。目的地の駅で降りると、ロータリーにたくさんのバスが停車している。

「バスのる?」

「うん、あっちから乗るよ」

「やったぁ!」