別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

(いくら私が頑丈とはいえ、十五キロを肩車したり、何度もたかいたいするなんてできないもんね)

「琉生君、いつもありがとね」

 琉生だけでない、彼の姉や両親に佳純はどれほど助けられてきたか。

 大輝をここまで育てるのは楽しいことばかりではなかった。

 妊娠中はトラブルなく過ごせたのだか、産むときにはかなり時間がかかった。微弱陣痛で入院後一晩経っても産まれてこず、これ以上遅れたら母子とも悪影響が出るとドクターが陣痛促進剤を入れるか頭を捻っていた矢先陣痛がきて出産。へとへとになりながらもわが子と対面できたときは震えるほど感動した。

 しかしふたり暮らしが始まると幸せを感じる暇などないくらい忙しく、様々なことに翻弄された。

 授乳による睡眠不足はあたりまえ。一時期夜泣きが激しかったのでアパートの住人に気を使い、夜中に抱っこで外に出て寝かしつける日々が続いた。生後半年で初めて熱を出した時は心配で一睡もできなかったし、歩き出したら目が離せなくなり、転んでテーブルに頭をぶつけた時は青くなって病院に駆け込んだ。

 とにかくすべてが初めての経験で、今だって毎日手探りだ。