別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 刺々しい指摘を即座に否定する。

 元々佳純は芹那に伝えようと思ってここに来ていた――瞬とは別れると。

 昨日一晩中悩んで彼の将来のために自分はそばにいてはいけないと決心していたのだ。

 それでも芹那は佳純を追い詰め続ける。

「お願い、彼が飛躍する機会をあなたのわがままで奪わないで。ねぇ、産まない選択もあるわよね」
 
 芹那言葉に全身の血が凍った気がした。

「産まない、選択?」

「そうよ、あなたはまだ若いんだから今ならいろいろやり直せるわ。お金が必要ならこちらで準備――」

「いりません」

 続けようとする芹那を佳純は強く制した。

「お金はいりません。二度と会いませんから。瞬さんにも何も言わないでください」

 凍った心のままはっきり告げると、芹那は途端に安堵した顔になった。とにかく佳純が瞬の前から消えればいいのだろう。

「そうね、それがいいわ。もちろん誰にも言わないわ。付き合った期間も短いんでしょう? 切り替えて今度はあなたに合った恋人を作ればいいわ」