無言を拒絶と捉えたのか芹那は小さく溜息をつくと、優雅な手つきで紅茶をひと口飲んだ。
「私は補佐官として鮫島警視に同行する予定なの。彼のことを公私ともに支えていきたい。私と父、斉藤家の力があれば彼ももっと高みを目指せるわ」
芹那の言葉に佳純は胸が潰れそうになる。でも今、自分の辛さは顧みてはいけなかった。
「あの、私……」
思い切って芹那に向き直ったその時、膝に置いていた手が椅子の上のトートバッグに当たりパタンと倒れた。その拍子にバッグの中身が滑り落ちてしまう。
「あっ、すみません」
床に投げ出されたのは財布と、ハンカチと――
(しまった……!)
慌てて屈み、先ほど区役所でもらってきた母子手帳に手を伸ばすとはっきりと息をのむ気配を感じた。
佳純はバッグに落ちたものをすべてしまうと、無言で椅子に座り直した。
「あなた、まさか妊娠してるの?」
今まで冷静だった芹那の表強が明らかに強張っている。
「あの……」
(どうしよう。斉藤さんに知られてしまうなんて)
想定外の展開に取り繕う言葉が出てこない。
「まさか、子どもを使って彼を縛り付けるつもり?」
「ちがいます!」
「私は補佐官として鮫島警視に同行する予定なの。彼のことを公私ともに支えていきたい。私と父、斉藤家の力があれば彼ももっと高みを目指せるわ」
芹那の言葉に佳純は胸が潰れそうになる。でも今、自分の辛さは顧みてはいけなかった。
「あの、私……」
思い切って芹那に向き直ったその時、膝に置いていた手が椅子の上のトートバッグに当たりパタンと倒れた。その拍子にバッグの中身が滑り落ちてしまう。
「あっ、すみません」
床に投げ出されたのは財布と、ハンカチと――
(しまった……!)
慌てて屈み、先ほど区役所でもらってきた母子手帳に手を伸ばすとはっきりと息をのむ気配を感じた。
佳純はバッグに落ちたものをすべてしまうと、無言で椅子に座り直した。
「あなた、まさか妊娠してるの?」
今まで冷静だった芹那の表強が明らかに強張っている。
「あの……」
(どうしよう。斉藤さんに知られてしまうなんて)
想定外の展開に取り繕う言葉が出てこない。
「まさか、子どもを使って彼を縛り付けるつもり?」
「ちがいます!」



