別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 すると瞬は「いや」と静かに首を振り、続けた。

「俺はそんな花が好きで一生懸命な佳純を好きになったんだ」

 さらりと使われた“好き”という言葉が胸に甘く刺さる。

「わた、私も、信念を持ってお仕事がんばっている瞬さんが、好きというか、だっ、大好きです」

 頬を熱くしながら精いっぱいの気持ちを返すが、スマートに口が動かない。瞬とは大違いだ。

(どもるなんて、恥ずかしすぎる……!)

 ふたりの間に落ちた沈黙はわずかな間だったはずだが、佳純にはやけに長く感じられた。

「佳純」

 羞恥で俯いていた佳純は彼の声でおずおずと顔を上げ――そのまま動けなくなった。熱の籠った瞳がこちらを射貫いていたからだ。

「今夜は俺とずっと一緒にいてくれないか?」

「え……」

 目を見開く佳純に瞬は視線を逸らさず言った。

「ここのホテルに部屋を取るって言ったら意味、わかる?」



「……すごい、バルコニーまであるんですね」

 彼の誘いに遠慮がちに頷いた佳純だったが、そのあと食べたものは正直あまり味がしなかった。