別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 耳を飾るのはふと立ち寄ったアクセサリーショップで一目惚れしたイヤリング。
 淡いピンクの花のモチーフから細いチェーンが垂れ下がり先に小さなパールが揺れる繊細なデザインだ。

 見目麗しい瞬の隣にいても少しでも見劣りしないように、そして彼に少しでもかわいいと思ってもらいたいという乙女心で佳純はデートのたび服装選びに頭を悩ませていた。

(でも、こうやって悩めること自体、お金も時間も自分に使えるようになった証拠だよね。叔父さんにお金払っていた時はそんな余裕なかったもの)

『佳純はもっと自分のために生きなきゃだめだ』

 瞬はそう言って佳純を色々な場所に連れ出してくれた。動物園や遊園地、植物園で見た秋咲きのバラはとても美しかった。

 幼い頃家族で出かけた思い出はあるが、母が亡くなってからはそういう場所に行くことは無かったし、父を亡くしてからは働いてばかりだったから、彼と行く外出はどこも新鮮で楽しかった。

 なにより好きな人と寄り添い手を繋いで歩き、同じものを見て話したり食事をする時間は幸せでしかない。

 楽しく過ごしたあとは、瞬は必ず車でアパートの前まで佳純を送りおやすみのキスをする。