別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 祖母が最近亡くなった話をすると、瞬は『辛い話をさせてごめん』と謝ったあと、バイトは辞めるべきだと諭してきた。

『おばあさんは年金をもらっていたんだろう? 公的な医療補助も受けているはずだし、一般企業で働いているサラリーマンの君の叔父さんが入院費用を払えない上、姪に請求するのは常識的におかしい』と淡々とした口調で納得させられた。

 さらに『夜にバイトしているなんて俺が心配でたまらないんだ。頼む』なんて言われたら、続けるなんてできなかった。

 実際バイトを辞めてみると、肉体的にも精神的にもかなり楽になり、前にも増して花屋の仕事に集中できるようになった。収入は減ったがこれまで叔父に払っていたお金が手元に残るので、逆に少し生活に余裕ができた。

「で、叔父さんは納得したの?」

 柚希は土産に持参したマンゴーゼリーの蓋を開ける。佳純もそれに倣いつつ答える。

「うん、連絡とってこないからわかってくれたんだと思う」

 叔父には先月いつも通りお金を振り込んだ後、これで最後にしたいと伝えた。電話の向こうで叔父は『恩知らず』と憤慨していたが、佳純は心を強く持ち、言う事だけ言って電話を切った。