別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 キバナコスモスは一般的なイメージのピンクや白ではなく、黄色の花を咲かせる早咲きのコスモスだ。
 その中でもこのレモンブライトという品種は、その名の通り抜けるような明るい黄色の花を咲かせるのが特徴だ。太陽の光を受けながら風に揺れる様子は言葉を失うほど美しかった。
 感動に胸を震わせながらレモン色のシャワーを浴びる。

「生命力のある色だな。輝いて見える」

 眩しそうな顔で瞬が呟く。彼も自分と同じように胸を打たれているようだ。

「はい、本当に」

 スマートフォンで花を撮りながら緩やかな丘を上る。人気のない場所まで来た佳純は立ち止まり、前を歩く瞬に向かって口を開いた。

「鮫島さん、今日はここに誘って下さってありがとうございました」

 彼は軽い気持ちで佳純に声を掛けてくれたのだろう。こういう場所はひとりよりだれかと訪れた方が楽しい。でも佳純は彼に誘われてから今日を迎えるまでの約一週間、浮き立った気持ちで過ごし、祖母を亡くした寂しさをあまり考えないでいられた。

 そして今日はこの輝く花たちに明日からも頑張る元気をもらった気がする。

 立ち止まった瞬はゆっくりとこちらを振り返った。