「そんな大事な方のお墓参りのお花に、毎月うちを選んでいただいてありがとうございます」
佳純は自然と笑顔を浮かべていた。彼の話を聞いている内に緊張がだいぶ和らいだようだ。
「……最近の目的はそれだけじゃないんだけどね」
明るくなった佳純とは対照的に瞬の声のトーンが少し低くなった。はっきり聞き取れずに首を傾げる。
「鮫島さん?」
「いや、なんでもない――ああ、見えてきたな。もうすぐ着くよ」
瞬はゆったりとした動作で駐車場へとハンドルを切った。
やってきたのは東京西部の市にある広大な敷地を誇る国営公園だ。車を降りたふたりは公園内を並んで歩いていく。
九月下旬の空は夏より少しだけ高く感じ、風も気持ちがいい。コスモス畑を目指しながら、佳純も少しづつ自身の話をした。
花屋の娘として生まれたが両親が亡くなり花屋を閉店せざるを得なかったこと、今の職場でお世話になった経緯を重くならないように簡単に説明する。祖母が先日亡くなったことはあえて伝えなかった。
「うちの店長のアレンジは華やかでお客さんに人気があるんですよ。私はついカスミソウに頼りがちなんですが」
佳純は自然と笑顔を浮かべていた。彼の話を聞いている内に緊張がだいぶ和らいだようだ。
「……最近の目的はそれだけじゃないんだけどね」
明るくなった佳純とは対照的に瞬の声のトーンが少し低くなった。はっきり聞き取れずに首を傾げる。
「鮫島さん?」
「いや、なんでもない――ああ、見えてきたな。もうすぐ着くよ」
瞬はゆったりとした動作で駐車場へとハンドルを切った。
やってきたのは東京西部の市にある広大な敷地を誇る国営公園だ。車を降りたふたりは公園内を並んで歩いていく。
九月下旬の空は夏より少しだけ高く感じ、風も気持ちがいい。コスモス畑を目指しながら、佳純も少しづつ自身の話をした。
花屋の娘として生まれたが両親が亡くなり花屋を閉店せざるを得なかったこと、今の職場でお世話になった経緯を重くならないように簡単に説明する。祖母が先日亡くなったことはあえて伝えなかった。
「うちの店長のアレンジは華やかでお客さんに人気があるんですよ。私はついカスミソウに頼りがちなんですが」



