「毎月花を買いにいらっしゃるので、とても大切な方なんだなって思ってました」
「三年目に配属された部署の上司で、気さくで人望がある人だった。でもその人に俺は『人食い鮫』って変なあだ名をつけられたんだ」
「人食い鮫って、苗字からですか?」
佳純目を瞬かせる。誠実で落ち着いた鮫島の雰囲気と物騒な異名がどうしても合わなかったのだ。
「当時俺はかなり生意気で、捜査方針で意見が合わないと上司だろうと噛みついて困らせていた。だから『鮫島は頑固で一度食らいついたら離れない、たちの悪い人食い鮫だ』ってからかわれていたんだ」
「そうだったんですね」
彼ことをよく知っているわけではないが、そんな熱い一面もあったなんて少し意外だ。
「でも、あの人は“警察官は人に寄り添う仕事”という当たり前だけど忘れがちなことを何度も教えてくれた。部署が変わってもずっと俺のことをかわいがってくれて……でも去年定年を待たずに亡くなってしまって。今も教えを忘れないように月命日には墓参りをするようにしているんだ」
前を向く瞬の横顔に寂し気な色が浮かぶ。
(鮫島さん、その方のこと今でもすごく尊敬しているだろうな)
「三年目に配属された部署の上司で、気さくで人望がある人だった。でもその人に俺は『人食い鮫』って変なあだ名をつけられたんだ」
「人食い鮫って、苗字からですか?」
佳純目を瞬かせる。誠実で落ち着いた鮫島の雰囲気と物騒な異名がどうしても合わなかったのだ。
「当時俺はかなり生意気で、捜査方針で意見が合わないと上司だろうと噛みついて困らせていた。だから『鮫島は頑固で一度食らいついたら離れない、たちの悪い人食い鮫だ』ってからかわれていたんだ」
「そうだったんですね」
彼ことをよく知っているわけではないが、そんな熱い一面もあったなんて少し意外だ。
「でも、あの人は“警察官は人に寄り添う仕事”という当たり前だけど忘れがちなことを何度も教えてくれた。部署が変わってもずっと俺のことをかわいがってくれて……でも去年定年を待たずに亡くなってしまって。今も教えを忘れないように月命日には墓参りをするようにしているんだ」
前を向く瞬の横顔に寂し気な色が浮かぶ。
(鮫島さん、その方のこと今でもすごく尊敬しているだろうな)



