別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

「若い女性が被害に遭う事例を嫌というほど知ってるし、君の住んでるアパートもセキュリティが甘いように見えた……って、硬いことばっかり言ってすまない。そもそも俺が聞き出したんだよな」

 ごめん、と苦笑する瞬はリラックスしているように見えた。

「あの、ご心配ありがとうございます。すぐにアパートを引っ越すのは難しいですけど、気を付けます」

「そうしてくれると嬉しい。さて、目的地までそんなにかからないから楽にしていて」

 楽にしろと言われても亡くなった父以外の男性とふたりきりで出かけるなんて一度もなかったし、相手は憧れていた人だ。どうしても緊張してしまう。

「……はい」

「一応警察官だし、悪いことはしないから安心して」

 未だ声の硬い佳純を安心させるように冗談めかして笑った瞬は、自身の話をしてくれた。

 彼は警視庁に入庁して八年目の三十歳、現在は犯罪分析関連の部署に所属している。

 毎月墓参りに来ていたのは休憩時間で、高速に乗れば警視庁のビルがある霞が関から二、三十分で着くから苦ではないという。

「あまり現場に出ることはないんだが、会議が多くて墓参りはいい息抜きにもなっているんだ」