別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 そっと運転席を伺うとハンドルを握る彼の整った横顔が見える。
 シンプルなTシャツにパンツを合わせ、薄手のジャケットを羽織るカジュアルな服装は店で見ていたスーツ姿とは違うが、こちらもモデルのようによく似合っている。

 一方佳純はシンプルなカットソーとフレアスカート。少ないワードローブの中から一番まともに見えそうな組み合わせを選んだ。

(それにしたって鮫島さんに比べたら安物感がでちゃって気が引けるな。実際安物だから仕方ないんだけど)

 佳純の視線に気づいたのか、瞬はチラリとこちらを見て小さく笑う。

「いきなりよくわからない男に誘われて嫌じゃなかった?」

 今日の彼は口調がくだけていて、いちいち胸が高鳴ってしまう。

「い、いえ……鮫島さんはよくわからない人じゃないですから」

 絡まれていた自分を助けてくれた警察官に対して警戒心などあるわけがなかった。

「でも、すぐに自分が独り暮らしだとか、住所の情報を他人に教えるのは防犯上よくないな」

「それも、全然気にしていませんでした」