別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 店長はウキウキとした足取りで観葉植物コーナーの方に行ってしまう。
 しかもいつの間にか売り場に戻っていた他のスタッフもわざとらしく「店長! 鉢物の入荷の件ですけど」などと話しかけこちらに来ようとしない。

 皆さりげなく気を使ったつもりのかもしれないが、ぜんぜんさりげなくない。

(もう、店長ったら悪ふざけしすぎ! 私が彼氏ナシでも鮫島さんには関係ないのに……!)

 従業員の個人情報を晒した上、好みのタイプを捏造するなんて。公務員なんて言ったら警察官の彼にアピールしているように捉えられてしまうではないか。

「あの、えっと、失礼しました。今のは気にしないでください。き、今日はどんなお花にしましょうか。涼しくなってきたのでお花のラインナップも変わってまして……」

 きっと顔が赤くなっているだろうし、鮫島の反応が怖くてまともに顔が見れない。早口で話しながら希望を聞くと「今日は任せます」と返ってきたので、ちょうど入荷し始めたリンドウを使うことにした。

(ちょっと店長が冗談言ったくらいでこんなに挙動不審になっちゃうなんて、いかにも意識してるってバレバレだよ。恥ずかしすぎる)