別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

「このことは所轄の交番に伝えておくが、彼女を怖がらせないようにもう店に近づくな」

「はいっ! わかりました。二度と近づきません。お姉さんごめんなさいっ!」

「あ……」

「失礼しますっ!」

 佳純がなにも言えない内に、彼らは逃げるように走り去っていく。

(よかった、行ってくれた……)

 安堵で気が抜けたよう立ちつくしていると、鮫島は佳純を振り返り心配気な顔で覗き込んできた。

「大丈夫でしたか?」

「あ! は、はい……」

「この辺りは治安が悪くないはずなんだが、あんな輩がいたとは。あの様子ではもう来ないと思いますし、さっき言ったように交番にも警戒するように伝えておきますので安心してください」

 彼は表情を和らげてゆっくりと話してくれた。男たちと対峙していた声とは全く違う、労わるような優しい声色にさっきまでの恐怖も緊張もスッと消えていく。

「あの、助けていただいてありがとうございました……鮫島さん、警察の方だったんですね」

 すると鮫島は苦笑いしながら答えた。

「ええ、今日は会議ばかりでこちらに来るのが遅くなってしまったんですが、逆に良かったかもしれない」