それまで顔が整いすぎて近寄りがたいくらいに思っていた人の柔らかい表情を目の当たりにして、佳純の胸はふいに跳ねた。
彼は自らを鮫島(さめじま)と名乗り、また来ますと言って店を後にした。
「ねぇ、やっぱり彼、佳純ちゃん目当てで通ってるんじゃない?」
佳純が回想している内に店長の表情がニコニコからニヤニヤに変わっている。
「え、目当てって……」
「佳純ちゃんがあのイケメンにロックオンされてるってこと」
店長は手でピストルを作って佳純に狙うようなしぐさをする。
「て、店長、冗談はやめてくださいよ。そんなわけないです」
佳純は頬を熱くしながらすかさず否定する。
「だって、彼、わざわざ佳純ちゃんに自分の名前教えたんでしょ。しかもお店に来ると一目散に佳純ちゃんに話しかけにいくじゃない」
たしかにあれ以来、鮫島は店に来るたびに必ず佳純に声を掛け、花を買っていくようになっていた。
佳純におすすめの花を聞いたり、自ら選んだりといろいろだが、彼はいつもこちらの説明にしっかり耳を傾けてくれる。
そして必ず最後はこちらの目を見て『ありがとう』と微笑む。
彼は自らを鮫島(さめじま)と名乗り、また来ますと言って店を後にした。
「ねぇ、やっぱり彼、佳純ちゃん目当てで通ってるんじゃない?」
佳純が回想している内に店長の表情がニコニコからニヤニヤに変わっている。
「え、目当てって……」
「佳純ちゃんがあのイケメンにロックオンされてるってこと」
店長は手でピストルを作って佳純に狙うようなしぐさをする。
「て、店長、冗談はやめてくださいよ。そんなわけないです」
佳純は頬を熱くしながらすかさず否定する。
「だって、彼、わざわざ佳純ちゃんに自分の名前教えたんでしょ。しかもお店に来ると一目散に佳純ちゃんに話しかけにいくじゃない」
たしかにあれ以来、鮫島は店に来るたびに必ず佳純に声を掛け、花を買っていくようになっていた。
佳純におすすめの花を聞いたり、自ら選んだりといろいろだが、彼はいつもこちらの説明にしっかり耳を傾けてくれる。
そして必ず最後はこちらの目を見て『ありがとう』と微笑む。



