別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 それを誤魔化したくて出た言葉は、素直とはいえなかった。

「……これからは無理をしないでください。お仕事忙しいんですよね」

 その刹那、胸に持ったままだったダリアのラッピングがカサリと音を出した。佳純の両手が瞬の掌で柔らかく包まれたのだ。
 驚きに固まる佳純の耳に切なげな声が響く。

「忙しいのを理由にしたくないんだ。俺は以前君の言葉に甘えて失敗しているから」

 瞬の言葉と掌の温もりがじわじわと体中に伝わり、鼓動が速くなっていく。

「大輝君の顔を見たいのはもちろんだけど、佳純、俺は君に一目でも会いたいからここに来てる」

「鮫島さん……」

「それは覚えておいてほしい」

 彼の瞳は、さきほど大輝に向けていた父親の顔とは全く違う熱を湛えていた。取り込まれそうなほどの強い眼差しに、佳純の胸は切なく締め付けられる。

「これからも時間を絞り出して何回でも通うよ。君が、君たちが俺を受け入れてくれるまで」

 瞬はそう言うと片手を佳純の頬に添え、そっと撫でた。




「それでどうなのよ、その後の通い夫との関係。進展した?」