別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

「それもあるが、佳純。これ飾ってくれるか?」

 中に招き入れると、瞬はラッピングされた一輪の花を差し出してきた。

「きれい……八重咲のダリアですね」

 全体的に白く、花びらの外側が淡いピンク色のグラデーションになっている存在感のある花を佳純は受け取る。

 瞬は音を立てないように気をつけながら、すやすやと眠る大輝の顔を見て顔を綻ばせる。

「よく寝てるな」

 小声でささやくその表情はまさに“父親”だった。彼の大輝に対する愛情を垣間見るたび、佳純の中で罪悪感が疼く。

(瞬さんは私のせいで大輝の存在を知らずに、成長も見守れなかったんだ。それに私、大輝が瞬さんの子どもだってことすらちゃんと伝えてない)

「佳純は俺が来るから起きててくれたんだろう。すまなかった。帰るからゆっくり寝てくれ」

 この部屋に入ってからたぶん五分も経っていない。
 本当に瞬は大輝の寝顔をみるだけのためにここに来たのだ。疲れた身体で無理はしてほしくないと切実に思う。
 一方で佳純は瞬がこうして来てくれた事実を喜び、彼の顔を見れて嬉しいと感じている自分にも気づいていた。