別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 棄てようと花瓶を手を伸ばしたとき、部屋着のポケットに入れていたスマートフォンが軽く振動する。

 取り出して目を丸くする。瞬からのメッセージがきていたのだ。

『今から行っていいか』

「えっ、今から?」

 思わず声が漏れる。佳純は慌てて返信を打つ。

『もう大輝も寝てしまいましたし、鮫島さんはゆっくり休んでください』

『なら起こさないようにする。玄関の前でまた連絡するから』

 来ないでいいというこちらの意図が通じなかったのか、メッセージが途絶える。おそらく車に乗ってこちらに向かっているのだろう。

(こんな時間に来たことはなかったのに。大輝の寝顔を見にくるってこと?)

 落ち着かないまま待つこと約一時間、再び彼からメッセージを受信する。

『今玄関前に着いた。開けてもらってもいいか』

 インターホンを鳴らさないのは大輝を起こさない気遣いなのだろう。
 佳純は素早く立ち上がり、音を立てないように玄関のドアに手をかける。

「こんな遅くにすまない。すぐに帰るから」

 そこにはスーツ姿の瞬が立っていた。遅くまで仕事をしてそのままここに来たのだろう。

「……大輝の顔を見に?」