別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 最近はニュースで警視庁の関わる事件が流れると、つい目が行くようになってしまった。報道されているだけでもたくさんあるのだから、瞬はものすごい数の犯罪と対峙しているのだろう。現場にはあまり出ないと言っていたが大変なことには変わらない。

 今日も瞬が来ないと知った大輝は、つまらなそうな顔で湯船に浮かべたアヒルのおもちゃを突いている。

「大輝は鮫島さん、好き?」

 なんともなしに聞いてみると、大輝は悩む素振りもなく答えた。

「うん、すきー」

「そっか」

 もしかしたらこのまま、連絡が途絶えて会わなくなるかもしれない。
 
 もともと佳純が望んでいたことだ。よかったではないか。大輝だって会わなくなったらきっと忘れてしまう。
 そう思いつつも胸の奥の方がギュッと切なくなる。

「さー、そろそろ出ようか!」

 余計なことを考えないように、佳純は勢いよく湯船から立った。
 
 大輝を寝かしつけた後、ダイニングを片付けているとテーブルの上の一輪挿しに目がいった。
 一週間前にもらったガーベラ、こまめに水揚げをしていたがだいぶ萎れて、花が力なく下を向いていた。

「もう、終わりかな……」