後半独り言のように呟いた瞬は、胸ポケットから出した名刺にペンで素早く何かを書くと、両手がふさがっている佳純のバッグの中に滑り込ませた。
「鮫島さ……」
「待ってるから」
佳純の返事を待たずに瞬は車に戻り、発進させた。
そういえば、昔似たようなやり取りをした覚えがある。去っていく車を茫然と見送りながら佳純はそんな場違いなことを考えていた。
大輝の熱は翌日には下がり、三日後には保育園に行けるようになった。
「大輝、元気になってよかったね。琉生に大輝が熱出したって言ったら心配してたよ」
保育園の廊下で大輝と帰り支度をしていると、通りかかった柚希が話しかけてきた。
「うん、急に熱出たからびっくりしちゃったけど、すぐに落ち着いてくれたよ」
応える佳純の横で大輝は柚希のエプロンをちょいちょいと引っ張った。
「ゆずせんせい、ぼく、パトカーもらった!」
彼は瞬にもらったおもちゃのパトカーがかなり気に入ったようで、寝るときも枕元に飾っている。
「いいねぇ。ママに買ってもらったの?」
柚希はしゃがんで大輝に笑いかける。
「ううん、ママにいじわるしてたひと」
「いじわる?」
「鮫島さ……」
「待ってるから」
佳純の返事を待たずに瞬は車に戻り、発進させた。
そういえば、昔似たようなやり取りをした覚えがある。去っていく車を茫然と見送りながら佳純はそんな場違いなことを考えていた。
大輝の熱は翌日には下がり、三日後には保育園に行けるようになった。
「大輝、元気になってよかったね。琉生に大輝が熱出したって言ったら心配してたよ」
保育園の廊下で大輝と帰り支度をしていると、通りかかった柚希が話しかけてきた。
「うん、急に熱出たからびっくりしちゃったけど、すぐに落ち着いてくれたよ」
応える佳純の横で大輝は柚希のエプロンをちょいちょいと引っ張った。
「ゆずせんせい、ぼく、パトカーもらった!」
彼は瞬にもらったおもちゃのパトカーがかなり気に入ったようで、寝るときも枕元に飾っている。
「いいねぇ。ママに買ってもらったの?」
柚希はしゃがんで大輝に笑いかける。
「ううん、ママにいじわるしてたひと」
「いじわる?」



