別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

 余計な話をしないと話していた瞬は約束を守るかのようにその後は黙ってハンドルを握っていた。
 運転はとても慎重で安全に配慮してくれているのがわかった。
 
 いつフランスから帰ってきたのか、今も警視庁で働いているのか、芹那と結婚したのか、彼に聞いてみたいことはいろいろあったけれど自分にその資格はないし、知ってどうなるものでもない。佳純も黙ったまま静かな車内でカーナビの音だけに耳を傾け続けた。

 車は幹線道路を順調に走り、四十分強でアパート前に到着する。停車すると瞬は運転席から降り、後部座席のドアを開けてくれた。

「本当に、ありがとうございました」

 佳純は寝ている大輝を起こさないように慎重にチャイルドシートから下ろす。

「重そうだが部屋まで行かなくても大丈夫か?」

「いえ、いつもひとりでやってますから。では失礼します」

 佳純はなるべく早く彼から離れたくてそそくさとその場を去ろうとするが、投げられた声に思わず足が止まった。

「大輝君の無事が確認したい」

「えっ」

「彼の体調が良くなったら電話くれないか。番号は前と変わっていない。いや、君はもう携帯を変えてしまっているな」