白銀の子守唄 ~年下王太子の甘い執愛

 マグダレーナが初めてフロリアンと契りを交わしてから、四年の月日が過ぎた。

 その間にフロリアンは三人の父となり、前王が急逝したため、ロンデネル王として即位した。
 立場が大きく変わったことで、若いながら威厳も風格も備わり、今では賢王として国民から慕われている。

 しかし今でもマグダレーナは時おり彼の中に、あの日の幼子が見える気がするのだ。

 ――マグ……レーナ?

 舌足らずのかわいらしい呼びかけを思い出すと、涙が出そうにさえなるけれど――。

「どうした、レーナ?」
「いいえ、何でもありませんわ」

 だが隠そうとしても、揺れる気持ちは伝わってしまうらしい。フロリアンが歩調を緩め、身を屈めてきた。

「愛しているよ、レーナ」
「わたくしもですわ、フロリアン」

 見つめ合い、子どもたちに気づかれないほど素早くキスを交わして、二人はまた歩き始めた。(了)