閨房の知識はひととおり教えられていたが、今日までは生硬な処女だったのだ。
それなのに何かされるたびに、甘い声を上げて、いやらしく身をくねらせてしまう。まるで先をねだっているように。
「でも、わたくし……こんなに……はしたないなんて。嫌われてしまうわ……あなたに」
「まさか! それでいいんだ、レーナ。もっと感じて、乱れてほしい。僕を受け入れられるように」
フロリアンは華奢な身体を貪欲に暴いていく。
身体中、それこそ足の小指の先に至るまで、彼の探索から逃れられた箇所はなかった。
優しい攻撃は、ついにひっそりと秘められた場所まで到達した。
「大丈夫か、レーナ? もし君がつらいなら、今夜は――」
「いえ……いいえ……」
本当は与えられる愛撫を受け止めきれず、呼吸もうまくできない。涙で視界もぼやけている。
だが、フロリアンの望みを拒むつもりはなかった。
「どうかやめないで。わたくしは……あなたと、ひとつに――」
「レーナ」
「いいから」
「力を抜いてくれるか?」
「え、ええ」
やがて張りつめたものが、マグダレーナの中にゆっくり入ってきた。
気遣いながらも、フロリアンは思いのすべてをぶつけるかのように腰を打ちつけてくる。
(わたくしは……ずっとこうしたかったのだわ)
深く強く穿たれるたびに、痛みが悦びへと変わっていく。
「レーナ、僕は君なしでは……生きていけない」
同じ言葉をそのままフロリアンに返したいと思った。
「フロリアン、わたくしも――」
「愛しているよ、レーナ。心から君だけを」
ひたむきな愛しい笑顔は涙でぼやけていたが、マグダレーナにはどんな宝石よりも輝いて見えた。
