飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡

「最強の四つ子な栗谷川さん……」
「だから私は最強の四つ子じゃないってば……」

 声の方を向く。声の主は天野スミス唯だった。

「……天野まで、そう呼ばないでよ」

 私は天野スミス唯を睨みつけた。
 天野スミス唯も私を睨む。

 しばらくすると笑いが込み上げてきた。つられて天野スミス唯もふふっと笑う。

「ええやん、四つ子の栗谷川さん。昨日栗谷川が3年を投げ飛ばした時、ほんまにかっこよかったで!」

 もしかして、あれを見てヤンキーたちの態度が変わったのか。

「メンバーに入れてもらって、いいのかな?」
「ええで。俺は認める!」

 天野スミス唯にそう言われると、いいのかな?って気持ちになってきた。

 メンバーは最強でカッコイイ人たちしかいない。そこに私も加われるなんて――。

「天野、認めてくれてありがとう」
「それより、その網を貸して?」

 言われた通り、素直に網を渡した。
 天野スミス唯がまさか、片付けを?

「おい、そこのお前、これ片付けといて?」
「おっす!」
「……えっ? 天野が片付けるんじゃないの?」
「栗谷川、せっかく付き合ったんだから、さぼろう? 監視カメラない裏道から脱走するぞ」
「いや、付き合ったからさぼるとか、意味わからないし。ダメだよ」

 ダメだよと言いながらも、ワクワクしている自分もいる。そして手を引っ張られて、されるがままに――。

 繋がっている手を見つめた。
 すごく、幸せだな――。

 
☆。.:*・゜