「ぼんやりして、どした?」
「ううん、何もないよ」
校庭が見下ろせる場所にある柵に寄りかかった天野スミス唯は、首を傾げる。そして「俺のこと、知りたいん?」といたずらな微笑みを見せてきた。
――そんな顔して直接聞かれると、聞きづらい。
だけど、教えてくれそうな雰囲気だから勢いで聞いてみる!
「うん、知りたい!」
天野スミス唯は静かに私を見つめる。
私に何を伝えようか、考えてくれているのかな?
「……教えない、秘密!」
微笑んでキラキラしながら天野スミス唯はそう言った。何故そんなにキラキラして断るの?
「教えてくれへんのかい!」
予想外すぎる彼の言動に対して、勝手に私の口から出てくるツッコミの言葉。なんなのこの人、本当に何を考えているのか分からない!
「栗谷川のツッコミの発音、不自然でおもろいな!」
天野スミス唯は大声で、大きな表情で笑った。いつもは遠慮がちに笑うのに、彼の新しい笑顔を見た……どうしよう、天野スミス唯の新しい部分を知ると、どんどん気持ちが天野スミス唯に吸い込まれていく――。
天野スミス唯は校庭を見下ろしながら棒の飴を舐めだした。
「天野って、棒の飴をよく舐めているけど、そんなに好きなの?」
「うん、このイチゴ味の飴、好きなんや。小さい頃に、ほんまかっこええ兄ちゃんからもろて、それから好きなんや」
「そうなんだ……」
飴を舐めてる天野スミス唯から視線を剥がせない私。
「そんなにじろじろ見てきて、なんや? 飴はやらんからな?」
「いらないし……」
私も一緒に校庭を眺めた。
相変わらず元気なヤンキーたちが、わっしょいわっしょいしている。
会話はないけれど、天野スミス唯が隣にいるだけで、心地よい空間になる――。
「ううん、何もないよ」
校庭が見下ろせる場所にある柵に寄りかかった天野スミス唯は、首を傾げる。そして「俺のこと、知りたいん?」といたずらな微笑みを見せてきた。
――そんな顔して直接聞かれると、聞きづらい。
だけど、教えてくれそうな雰囲気だから勢いで聞いてみる!
「うん、知りたい!」
天野スミス唯は静かに私を見つめる。
私に何を伝えようか、考えてくれているのかな?
「……教えない、秘密!」
微笑んでキラキラしながら天野スミス唯はそう言った。何故そんなにキラキラして断るの?
「教えてくれへんのかい!」
予想外すぎる彼の言動に対して、勝手に私の口から出てくるツッコミの言葉。なんなのこの人、本当に何を考えているのか分からない!
「栗谷川のツッコミの発音、不自然でおもろいな!」
天野スミス唯は大声で、大きな表情で笑った。いつもは遠慮がちに笑うのに、彼の新しい笑顔を見た……どうしよう、天野スミス唯の新しい部分を知ると、どんどん気持ちが天野スミス唯に吸い込まれていく――。
天野スミス唯は校庭を見下ろしながら棒の飴を舐めだした。
「天野って、棒の飴をよく舐めているけど、そんなに好きなの?」
「うん、このイチゴ味の飴、好きなんや。小さい頃に、ほんまかっこええ兄ちゃんからもろて、それから好きなんや」
「そうなんだ……」
飴を舐めてる天野スミス唯から視線を剥がせない私。
「そんなにじろじろ見てきて、なんや? 飴はやらんからな?」
「いらないし……」
私も一緒に校庭を眺めた。
相変わらず元気なヤンキーたちが、わっしょいわっしょいしている。
会話はないけれど、天野スミス唯が隣にいるだけで、心地よい空間になる――。



