飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡

「あの弟は、俺らにも反抗期だな……」
「そうだね」

 橘裕翔くんが呟くと、早乙女冬弥くんが頷く。ふたりは天野スミス唯のことを〝弟〟って言ってる……3人の血が繋がっていないことをさっき知ったけれど、本当の兄弟みたい。

 天野スミス唯は、このふたりに本物の弟みたいに大切にされている感じがするし。というか、俺らにも反抗期って今言った?

「俺らにもってことは、他の人にも反抗期なの?」

「うん。唯に今渡したのは、唯の実家が営んでいる焼肉屋のオリジナルタレなんだ。あとは、俺らの実家がある街の駅でしか買えない、唯が手にすると絶対に誰にもあげない程、唯が大好きなイチゴ味の飴でさ……」

 早乙女冬弥くんが詳しく教えてくれた。

 話をまとめると、ふたりが何も言わずに天野スミス唯の実家に行ったことに、天野スミス唯は不満っぽい。

「天野の家、焼肉のお店なんだ?」
「そうだよ! いつも焼肉をする時も唯の家のタレを使ってるんだけど。今ふたりに渡したのは、期間限定のタレなんだ。唯の好きそうな味だから食べて欲しいって、唯の親が……」
「そうだったんだ」

 ここで食べてる時に使っているタレも、とても美味しくて。もらったタレも楽しみだな。

「ところで、そのおみやげの話と反抗期、何か関係あるの?」
「唯、親と連絡取りたがらなくてさ……唯の両親と俺ら話してきたんだけど、寂しがってた」
「天野、親と上手くいってないんだ……なんでかな」
「昔からだけど、最近特に弱いところみせてこないから……本当に唯は何を考えているんだろうな……」

 私も天野スミス唯は、普段何を考えているのか予想がつかない。私にも壁を作っている感じがしているし、このふたりにも?

 彼は、誰かに心を開いたりするのかな?
 なんだろう、天野スミス唯のことが急に心配になってきた。

 ただのおせっかいなのかもしれないけれど――。

「私、天野に話を聞いてみる」
「栗谷川になら、何か話すのかもな――」

 橘裕翔くんが私の顔を見て微笑んだ。
 ふたりに向かって微笑むと、私は天野スミス唯がいそうな予感がした食堂へ走った。