飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡

 私たちは職員室から出た。

 私の前をそそくさと歩く天野スミス唯。彼は廊下で急に立ち止まる。それに気が付かないで歩き続けていた私は、彼の背中に軽くぶつかり立ち止まった。

「巻き込んで、ごめんな――」

 天野スミス唯が振り向き、小さな声で謝って視線を下にやった。

――もしかして、落ち込んでる?

「ううん、私が勝手にやったことだから……」

 本当に謝られることはひとつもなくて……。

落ち込んでいるっぽい彼を見ていると、前向きな話を何かしたくなったけれど、言葉が何も浮かんでこない。とりあえず再び歩こうとした時、私は忘れ物に気がつき、はっとした。

「あ、お弁当箱の袋を忘れた……多分外にあるかな? 取りに行ってくるから先に教室行って!」

 多分、校門のところで囲まれた彼を助けようとした時、あの辺りに置いてきたんだと思う。

 外に向かおうとすると、天野スミス唯も無言のままついてきた。

「どうしてついてくるの?」
「……いや、まだアイツらうろちょろしてるかもしれへんから」
「心配してくれてるんだ?」
「いや……うん」

 彼の視線が泳ぐ。

「……ありがとう。優しいね」

 心配って……私のこと考えてくれてたんだ。自然に私の口角が上がって笑みがこぼれた。