そっと、ぎゅっと抱きしめて


ホテルに入ったわたしたちは、真っ先にフロントに向かった。

「いらっしゃいませ。」
「すいません、本宮和総で予約が入ってると思うんですけど。」

伊吹さんがそう言うと、フロントの女性はハッとした表情をして、すぐに同じ部屋番号のカードキーを2枚差し出してくれた。

「部屋は1つですか?」

伊吹さんがそう訊くと、フロントの女性は「はい、ツインのお部屋をご予約されています。」と答えた。

伊吹さんは申し訳なさそうな表情を浮かべると、わたしの方を向き、「部屋、俺と一緒になっちゃいますけど、、、大丈夫ですか?」と心配してくれた。

「わたしは構いませんよ。伊吹さんと一緒でも。」

わたしがそう答えると、伊吹さんは「ありがとうございます。」と微笑み、部屋のカードキーを手に取った。

そして、向かったのは18階にある1803号室。

あまりの綺羅びやかなホテルにドキドキしてしまうわたし。

エレベーターで18階まで上ると、左に曲がり、ずっと真っ直ぐな廊下を歩き、端の方まで来ると、1803号室を見つけた。

伊吹さんがカードキーを差し込み、ドアを押すとドアが開き、もう1枚のカードキーをドア横にある差し込み口に差し込むと、一気にパッと部屋が照らされた。

「わぁ、、、!」

わたしは部屋の広さと綺麗さに思わず驚きの声が漏れた。

その部屋は、これでツインなの?と思う程、広々としたお洒落な部屋だった。