「あのぉ、そういえば、今のこの状況って、何があってこうなってるんですか?」
わたしの言葉に、伊吹さんとエレナさんは2人同時にハッと一気に空気が変わり、エレナさんが事情を話し始めてくれた。
「実は、伊吹さんとしずくさんが週刊文◯に撮られていまして、"今注目のイケメン画家 伊吹渚 熱愛!"と出る予定だったらしいんですけど、そのあとに元マネージャーさんとの2ショットを撮られてしまって、"熱愛"から"二股"に変わってしまったわけですよ。」
「あぁ、、、なるほど、、、。」
わたしがふと伊吹さんの方を見ると、伊吹さんは苦笑いを浮かべていて、「しかも、記者にインタビューされた峯岸さんが、自分は彼女で向こうが浮気相手だと嘘の情報を流してしまったので、また厄介になってしまって、、、。」と言い、「やってくれますよねぇ、、、。」と呆れたように呟いていた。
「記事が載る雑誌が発売されるのは2日後の月曜日です。多分、記者が来ると思うので、それはこっちに任せてください。お2人は落ち着くまで、ホテルで待機をお願いします。和総さんがホテルをとっておいてくれているので。」
エレナさんはそう言うと、「そろそろホテルに着きますよ。」とわたしを安心させるかのようにバックミラー越しに微笑んで見せた。
ホテルに到着すると、思っていたよりも高級そうなホテルで驚いた。
エレナさんは「"本宮和総"で予約を入れてますから、フロントで名前を言ったらすぐに鍵をくれると思いますよ。ホテル側には、事情を説明してあります。」と言うと、バックドアを開けてくれた。
伊吹さんとわたしの荷物をおろし、バックドアを閉めると、エレナさんは「では、また連絡します。」と言い、車を走らせ去って行った。
「伊吹さん、荷物大きいですね。」
伊吹さんの荷物を見てわたしがそう言うと、伊吹さんは「せっかくのホテル滞在ですからね。ゆっくり絵を描く為に一式持って来ました。」と言うと、「さぁ、入りましょう。」とわたしたちは急ぎ足でホテル内に入った。



