そっと、ぎゅっと抱きしめて


「えっ?!」
「詳しい話は、あとでするので、とりあえず何日かホテル暮らし出来そうなくらいの荷物をまとめて来てもらっていいですか?あと、仕事もお休みしてもらうことになっちゃいますが、大丈夫ですか?」
「有給が残ってるので、大丈夫だと思います。」
「本当に突然すみません、、、。今、マネージャーが車で迎えに来ますから。」
「マネージャー?」
「はい、さつきちゃんです。」

とりあえず、わたしは急いで自宅に戻り、キャリーバッグに数日分の服や最低限必要な物を詰め込んだ。

伊吹さんは、週刊文◯に載るくらいの知名度になったんだなぁと思うくらいの余裕があり、何が起こっているのかまだ把握出来ていないわたしにそれほど焦りはなかった。

用意が出来ると、わたしは再びアトリエに戻った。

すると、アトリエ前に黒い車が停まっており、わたしに気付いた伊吹さんが駆け寄ってきて、わたしの荷物を車に積んでくれた。

「どうぞ、乗ってください。」

伊吹さんはそう言い、後部座席のドアを開けてくれた。

わたしが後部座席に乗り込むと、わたしの隣に伊吹さんも乗り込んだ。

そして、わたしは運転席に女性が座っていることに気付く。

運転席に座る女性はこちらを振り向くと、「2人とも乗りましたか?」と確認した。

「しずくさん、この人が新しいマネージャーのさつきちゃんです。」

伊吹さんがそう言うと、"さつきちゃん"と呼ばれる女性は、「伊吹さん!紹介する時くらいはちゃんとしてくださいよ!」と言いつつ、「伊吹さんのマネージャーをやらせていただくことになりました、水瀬エレナです!よろしくお願いします!」と"さつきちゃん"は言った。