そして、待ちに待った日曜日。
わたしは伊吹さんの運転する車で田尻先生の美術展に向かった。
中に入ると、思っていたよりもお客さんが多く、田尻先生って有名な画家さんなんだなぁと思った。
田尻先生の作品は、パンフレットに書いていた通り、確かに人物画が多かった。
「凄い、、、。」
わたしは田尻先生の作品を見ながら呟いた。
伊吹さんはわたしの呟きに「凄いですよね。こんな繊細な絵、田尻先生にしか描けないよ。」と言った。
わたしが魅了されたのは、後ろ髪をまとめ上げる裸の女性の絵だった。
デッサンで描かれたその女性の絵は、鉛筆1本で描かれたモノクロなのに、女性らしさと色気を醸し出していた。
すると、遠くから聞き覚えのあるピンヒールで歩く音が聞こえてきた。
その音に気付いたのはわたしだけではなく、伊吹さんも同じでわたしたちは顔を見合わせた。
「伊吹先生!!」
そこに現れたのは、ムッとした表情をした峯岸さんだった。
伊吹さんは呆れた表情を浮かべると、溜め息をつき「呼んでないんだけどなぁ、、、。」と呟いた。



