「わぁ、美味しそう!」
お弁当の中身は、炊き込みご飯に煮物など、和食で統一されていた。
伊吹さんは割り箸を割りながら「しずくさんは、食べれないものありますか?」と訊いた。
「大体のものは食べれますよ。」
「あ、そうなんですか。じゃあ、申し訳ないんですけど、煮物の人参食べてくれません?」
伊吹さんはそう言うと、申し訳なさそうな表情で自分のお弁当をわたしに差し出した。
「人参嫌いなんですか?」
「ちょっと苦手で。」
「じゃあ、いただきます。」
わたしはそう言い、伊吹さんのお弁当から煮物の人参をもらった。
「じゃあ、わたしの分からお一つどうぞ。何がいいですか?」
「えっ、いいんですか?」
「はい、交換です。」
「じゃあ、、、出汁巻き玉子をいただきます。」
「どうぞ。」
おかずを交換し合い、熱い珈琲と共にお弁当をいただく。
伊吹さんが持ち帰って来てくれたお弁当は、本当にどれも美味しかった。
わたしはお弁当を食べながら、伊吹さんは猫舌で人参が苦手、とまた1つ伊吹さんのことが知れたようで喜びに浸っていた。



