スノードロップ


でもきっと皆同じ。


礼奈ちゃんに会った瞬間、手元に置いておきたいと思ってしまったんだ。

生意気だけれど。



あの儚くて繊細な雰囲気に聞かれたのかもしれない。

月の雫を集めたような銀色の髪、澄んだ青緑色の瞳。

まるでイギリス人形のように整った顔立ち。


ふわりと崩れることの無い笑み。


謎めいたとても不思議な空気を纏った女の子。


一言では言い表せないとても不思議な子。




「…ん〜?そこに居るの嬢じゃねぇか?」



ぷらぷらと火のついてない煙草を指先で(もてあそ)びながら、窓の外を指差すルー君。




「どこ!?」




ぴょんっとソファから立ち上がって、ルー君の側へと駆けて行く。

ルー君が差す窓の外を見る。


それは確かに礼奈ちゃんだった。

……多分、授業始まってると思うなー。


今日礼奈ちゃん授業1回しか出てないよね。

生徒会役員だから、いくらサボっても問題無いけどさ。




「僕も混ざりたいなー」




突撃したところで無視されるのは分かってるけど。


今は電話しているみたいだし。

声掛けるのも迷惑だよね……。




「……電話の相手誰かな?」




礼奈ちゃんのことを僕達は何も知らない。

礼奈ちゃんが僕達のことを知らないように。



むぅっと頬を膨らませて礼奈ちゃんを見つめる。

当たり前だけど、礼奈ちゃんは気がつかない。



分かってる。

まだ出会って2日の俺達のことを警戒していることも。

仲良くなる気など無いことだって。


自己紹介の時だって、名前だけを告げた彼女の意図が分からないわけじゃない。


仲良くするつもりは無いと。