私は何となく手を止めて、 周囲の様子をうかがってみた。 隣の班は、 既に私たちよりはるか先の 生地が膨らむのを待つステップまで 進んでいる。 すると、そこへ巡回に来た神代先生と、 班員の女の子が何やら話し始めた。 彼女は テーブル横の流し台で 使い終えたビーカーを洗いながら、 顔だけを先生の方へと向けている。 理科室はガヤガヤしているから、 会話の内容までは分からないけど……。