コリウスの花束を、キミに

「真澄ちゃんは何巻が一番好き?」

「うーん、どれも面白いから、迷うけど……
私は七巻かなぁ」

「七巻って確か…修学旅行の話だっけ??」

「それは九巻じゃなかったっけ」

「そうだっけ…?あー!思い出した。
七巻って、犬のコロが失踪するやつね」

「そうそう!
私はあのお話の伏線の張り方がすごく好きでね……」

「わかるわかる!私もあれ好き~」



『ティロリンロリンロリン』

私たちの会話の盛り上がりが
最高潮に達したところで、

遠藤さんのスマホから
可愛らしいメロディが鳴った。