営業ラインとは実に厄介だ。

どんなに来て欲しくない相手でも建前上やらねばならない。


それでも星來はプロだ。
どれほど嫌でもお客様は平等に扱わなければならないのだ。

実に、本当に不本意だが、と心の中で反芻しながら文面を作って京弥へラインを送った。

どうせ既読無視されるだろうとタカを括っていたのだが、それほど時間をおかずに返事が返って来た。


「…まじか」


なんと来週の水曜日にまた来店すると言うのだ、しかも同伴付きで。

星來は酷く迷った。
本音はお断りしたい気持ちでいっぱいだか、ノルマ達成の為には同伴が一つあるのでは安心感が大きく違ってくる。


「…うーん……」




そして悩みに悩んだ末に、渋々了承した。
何より大事なのはお金なのである。


そして水曜日、京弥が指定してきたのは芸能人も御用達のお店で星來は先に個室へと通され少し遅れて到着した京弥が入ってきた。