そうポツリと呟くように漏らした京弥の顔は、頬から耳にかけて真っ赤に染まっていた。
「どんな仕事してようが関係ねえ。地獄を見たって言いながら、それでも背筋伸ばして大事なもん守りながら気丈に戦うお前が、あまりにも綺麗だった」
「!」
「そんな最高の女に、俺が惚れない訳がないだろ」
星來の手に唇を当てたまま、京弥は視線だけを星來に移し、真っ直ぐに見つめる。
それはこれまで何度も目にしてきた、自分への熱い恋情を抱いた男の目だった。
「俺は星來が側に居てくれたら何だってやれるし、それだけで癒される。俺にここまでさせられる女、他に居ねえ」
だから、と京弥は続けた。
「サッサと観念して、俺の嫁に来い」
どこまでも偉そうなプロポーズだ。
けれど言葉とは裏腹に、吸い込まれ飲み込まれてしまいそうな瞳は少しだけ不安に揺れているように見えた。
それに気づいた時、京弥がどこまでも本気なのだと実感する。



