結果として報道は京弥側がまたも「事実無根です」と否定の公文を出したので誤報だと言う事に落ち着いた。
そこまではこれまでと同じだった。
問題はその文章の後である。
「自分には一般人の婚約者が居るので、今後こういった報道は控えるように」との圧の強い文が最後に添えられていたのだ。
これまで無かった文面に騒然としたのは世間だけではない。
当然の如く、星來の勤める店でも大騒ぎになった。
相手は星來さんですか、と何人に問われただろう。
いい加減否定するのも嫌になってきていた。
「婚約者…居たんだ」
何より驚いているのが、星來自身だったから。



