口が悪くて自信家で、でも必ず有言実行でそれに見合う努力をする、京弥は昔自分が憧れた姿そのままだった。
ひとしきりお腹を抱えて笑った後、はーっと天を仰ぎながら息を吐いた。
「そこまで言うなら好きにしなよ。ただしあくまで九軒聖羅としてのおもてなしになるけどね」
そう言って一口酒を煽れば、目の前の自分を凝視する京弥と目があった。
どうしたの?と首を傾げながら聞けば、少しーーほんの少しだが、満足そうに笑って言った。
「そっちの顔の方が何億倍もいいわ」
「……え、」
その時、丁度仲居さんが料理を運んできてくれなかったら一体どうなっていたか、星來は考えるのが恐ろしかった。
きっと、飛び上がるような嬉しさで顔中が真っ赤に染まっていたから。



