恋とプライド


⚪︎図書館を出て並んで歩くふたり

木葉「ありがとうございました」
「学校の先生よりもわかりやすかったです」

裕翔「それはよかった」
「いや、でも飲み込みの早さには驚かされたな」
「あと集中力も」
「尋常じゃない」

木葉「教え方が上手いからですよ」

裕翔「だとしても優秀なんだろうなって実感した」
「進学先は決めてるの?」

木葉「まだです」

裕翔「そっか」

なにかを考える裕翔。
真剣な顔。

木葉「麻田さんの夢はなんですか?」

裕翔「俺?俺は海外に行くことかな」

そこまで言って裕翔、木葉を見下ろして。

裕翔「だから今度は俺に教えてよ」
「英語」

木葉「あ…はい!私でよければ」
「今日のお礼を兼ねて尽力させていただきます」

役に立てることが嬉しくて明るい表情の木葉。
裕翔も微笑んで。

裕翔「うん」
「やっぱり難しい顔してるより」
「笑ってる方が可愛い」

木葉「それはお世辞だとしても照れるのでやめてください」

頬を赤らめつつ、制すように手を出す木葉。

裕翔「いや」
「お世辞じゃない」

木葉「だとしたら余計に照れるので…って」

ここで木葉、ハッとする。

木葉「もしかして麻田さんって女の子に慣れていますか?」
「女子を喜ばせるような言葉がスラスラと出てきますよね?」

裕翔「好きだからかな」

木葉「え?」

裕翔「俺、内野さんのことが好きなんだよ」
「だから可愛いと思ったら可愛いって言いたくなるし」
「笑顔も困った顔も見たくなる」

木葉、固まる。
それから赤面。

木葉「本当に?!」
「え?なんで?」
「えぇ?!」

混乱する木葉を見て、眉根を寄せて微笑む裕翔。

裕翔「自己評価が低いんだよな」
「俺が自分から告白したの初めてなんだから」
「自信持って」

木葉、裕翔を見上げて。

木葉「でも…えっと…本当に?」
「本当に信じていいのですか?」
「揶揄ってるとかないですよね?」
「困った顔見たいから」

裕翔「ハハ、ないよ」
「でも」
「俺のことは好きにならないで欲しいんだ」

木葉「…え?」

(意味がわからない)

眉根を寄せる木葉。

裕翔「内野さんには恋をしてほしくない」

真剣な顔の裕翔に、混乱する木葉。

裕翔「俺を好きにならないで」