百華「きゃー!」
「言われてみたーい!」
引き続き興奮気味の百華。
はたと気付いて。
百華「でもそれのなにが恋愛じゃないの?」
木葉「あの時の麻田さんの表情は恋愛のそれじゃないと思うの」
「人の気持ちに疎いって言われてる私が言うのもなんだけど」
(私じゃなくても同じような場面があったら麻田さんは同じことを言ったと思う)
百華「だとしても」
「好きでもない子にハグするかな?」
「それとも木葉と同じような境遇の子を知っていて」
「救えなかった過去があるとか?」
百華は腕を組んで考えている。
木葉も一緒に考える。
木葉「私、麻田さんのこと、全然知らないんだなー…」
百華「知りたいと思う?」
木葉「うん」
百華、ニヤリとして。
百華「即答するあたり、恋をするのも時間の問題かもねー」
木葉「だからそんなんじゃないって」
百華「どうかなー?」
揶揄う百華。
膨れっ面の木葉を見て。
百華「ごめん、ごめん」
「木葉、可愛いから揶揄いたくなっちゃった」
木葉「なんか似たようなこと言われた気が……」
百華、微笑んで。
百華「いいなぁ」
「私も恋、したいなぁ」
「でも勉強しなきゃなー」
木葉「もうすぐ中間テストだもんね」
「私もしっかり勉強しないと」
百華「やる気だね」
「心境の変化すごくない?」
木葉「うん」
「バイトしてよかった」
木葉(バイトをしなければお金を稼ぐことがどれだけ大変なことなのか知らないままだった)
(出してもらっている学費もお茶代も服代も全て)
(親が頑張って稼いでくれているおかげ)
(当たり前のことなのにそれが当たり前になっていて)
(大して勉強もしていないのに放課後ケーキを食べていたなんて)
(親不孝な気がした)
(だから学業を疎かになんて出来るはずがない)
百華「勉強しなきゃって思う動機はなんでもいいからね」
木葉「うん」
満ち足りた笑顔の木葉。
百華「んー!」
「その笑顔見たら落ちない男子いないと思うけどなぁ」
木葉「え?」
「どういう意味?」
百華「なんでもない」
「進展したら教えてね」

