「あのさ?俺が気づいてないとでも思ってんの?」
「気づいてないとは……?」
「最近のお前は嘘ばっかならべて自分の意見なんてちっともない。楽しいの?お前は」
楽しいも何もその方が裕翔だって楽でしょ?
わがままに振り回されてたわけだしあたしが言わなければ……
「何思ってんのかわかんねぇけどさ?俺はお前が心配。」
「……心配??」
「そう」
嫌いってしまおうか……でも言わない方が……
「思ってること全部言えよ!」
「……涙」
言ってもいいのだろうか
「何泣いてんの?泣くくらいなら言え!」
「……ごめんなさい」
やっぱり言えそうにない言ったらこの関係も全てが終わってしまいそうだからせめてこのままみんなのそばにいたい
「言わねぇの?」
「……涙」
言えないよ
こんなあたしだけのわがまま……
これ以上周りを巻き込みたくない
偽りの自分でもいいの
みんなで笑っていたい
「ごめんなさい……」
「また言える時に言えよ。俺はお前の口からちゃんと聞きたい」
「……うん」
こんなあたしをありがとう
まさかあたしだけが人間関係に悩んでたわけじゃなかったなんて今のあたしは知らない
あたしだけが悲劇のヒロインだと思っていた



