「おかえり」
「あれ?璃空は?」
「しらねぇ」
「なに?また喧嘩?」
「別に喧嘩なんかしてねぇけど」
「ごめん!」
「遅いよ!やろやろ!」
あたし笑えてるよね?
「王様だーれだ!」
「あ。俺だぁ」
玲於くんが王様らしい
「じゃ……1番と4番がハグ!」
なんじゃそりゃ……心で思っておく
「えー。あたしなんだけどー」
「あ。俺だ」
紗奈と彩人くん。まさかな組み合わせまぁおもしろいか?
その後もゲームは続いて楽しんだ
今は20時
みんなでご飯に行くらしい
けど裕翔に親が帰ってきたと言ってしまったのだから帰らなくてはならない
「あのー。ごめんね?あたし帰らなきゃ……」
「え?いいじゃん!親いないんでしょ?」
「ごめん!昨日帰ってきたから帰んなきゃ!」
「えー!残念なら明日ね?」
「うん、ばいばい」
あたしはひとり寂しく歩くなんて惨めなんだろう自分……
すると落ち着いていた胸の鼓動がまた早くなった
え?また?
「ハァハァハァ…ハァハァハ」
「おい!」
え?誰?
「おい!大丈夫か?ゆっくり深呼吸しろ!」
あたし夢でも見てるんだ望みすぎだなぁ
「おい!聞こえてるか?おい!」
ん?え?
「ゆぅ……と……?」
「おい!ゆっくり深呼吸しろって」
「落ち着いたか?」
「うん。ごめん」
「何が?」
「いやみんなでご飯行くんでしょ?」
「もう大丈夫だからみんな待ってるよ?
璃空も早く帰んなきゃママに怒られちゃう」
「送ってくよ」
「あ……いや大丈夫!」
「また何かあっても困るし」
「大丈夫だって!もう元気だから!」
「なら帰ったかどうかおばさんに確認するわ」
「え……」
「なに?なんかあんの?」
「あ……いや何も無いけど
マ……ママ忙しいだろうから大丈夫だよ!
ちゃんと帰ったらLINEするから!」
「いや俺が心配なの」
「大丈夫だって!ね?あたしがLINEするからママには言わないで!」
「あぁ……」
「ごめん」
腑に落ちない顔してる裕翔が前にいる
多分怒ってる。怒らせちゃった
「ごめん。怒ってるよね?ごめんなさい」
「別に」
いや完全に怒ってる
「ごめん。ほんとごめんなさい」
「別にいいって」
その後何も言えなかったただ小さくごめんねばいばい……それだけ言って背を向けた
家までの道のりはすごく長く感じた
何してんだろうか自分は……と沢山責めた
気づけば家の前にいた
時刻は21時半



